フォルミュールのホワイタミンQQは、美白コスメのなかでも、ひときわユニークな存在感を放っています。どんな特長があるのか、成分や使い方の説明も加えつつ美容ライター的な目線でご紹介します!
・医薬部外品
・15g ¥3500前後
・2018/2/16発売
※公式のインスタに画像がなかったので美的のインスタ画像をお借りしております※
「とにかく、シミを薄くしたい」人は目をつけて!
フォルミュールといえば、病院やクリニックで採用されている療法からヒントを得た商品がラインナップしているブランドです。「QQシリーズ」はとくに、肌のお悩みをピンポイントで解決する美容液が揃っています。
サファイアがレビューした「リペアミン QQ」もシリーズの一つです。

で、今回の主役「ホワイタミン QQ」は、集中美白ケアを目的とした美容液です。ターゲットにしているのは、居座っていて、なかなか薄くなってくれないシミ。いつの間にか長いつきあいになりつつある、鏡を見るたびに存在をアピールしてくる「そこんとこのシミ」です。
目尻とか、頬の真ん中とか。シミってやつはたいてい、よりにもよって目立つところに出てきますよね。憎し。
そんな居直っているシミを、少しでも薄くしたいときにトライしてほしいのがこちらの美容液です。コンセプトも成分もとってもユニークで、なぜに話題にならないのか不思議なくらい。まずは成分について説明していきますね。
美白はビタミンC誘導体×排出はポスカⓇ
ホワイタミン QQのスター成分は2つあります。まずは、美白有効成分のビタミンC誘導体。美白コスメではおなじみすぎる成分です。ビタミンC誘導体の働きは、メラニンが生成される過程にアプローチすることで(具体的には、チロシンの酸化を防ぐ)メラニン=シミをつくらせないようにすること。
メラニンを作ろうとしているメラノサイト目線で見てみると、仕事の邪魔をする成分です。
そしてもう一つのスター成分が「ポスカⓇ」です。これがたいへんユニークな成分!! なぜサファイアがこちらの成分に注目しているかというと、手元にある資料のなかに<「ポスカⓇ」は江崎グリコ株式会社の登録商標です>という一文を発見したからです。
「ん? グリコのポスカって言ったら、ガムの名前じゃなかったか?」
と思いますよね。そうなんです! ガムのポスカのポスカなんですよこれ!! ビックリしますよねー。ポスカって化粧品に配合してもいい成分だったんだ。まてよ、歯みがきにも配合されているから、とりあえず害はないってことなんだろうけど、それにしても美白コスメにポスカってどういうことだってばよ? と思いますよね。
しかも、調べてみるとポスカこそシミを薄くするカギとなる成分だと分かってきたのです。もー、二度ビックリ。
気になるのは、コスメの成分としては珍しいポスカが何をしてくれるのかという点。ずばり、ポスカはシミを排出する役目があります。肌のターンオーバーを促進する効果があるので、結果的にシミ=肌内部に残っているメラニンを外に外に押し出してくれます。
ポスカ……、頼りになる子!!
「そこんとこのシミ」にピンポイントで塗るのが正解!
ホワイタミン QQは、シミに効かせるための美容液です。なので、顔全体にまんべんなく塗るというのではなく、あくまでも「そこにあるシミ」の部分に塗るという使い方が正解です。
肌にピタッと密着するテクスチャーは、まさしくシミを狙い撃っている感覚。使うタイミングは化粧水のあとです。顔全体に塗る美容液と併用するなら、顔全体美容液→ホワイタミン QQという順番がよさそうです。浸透がよくてシャバシャバしたものが先、肌表面に密着してじわっと浸透するものが後、という基本を覚えておくといいですよ。
とりあえず、以上が「ホワイタミン QQ」についての商品情報でした。以下はちょっとポスカについての深追いなので、興味がある方だけお目通しいただければと思います。
健康な肌にはカルシウムが必須。だからポスカ。
ちょっと脱線して、ホワイタミン QQというよりもポスカにフィーチャーしてみたいと思います。そもそも、ポスカってどんな効果がある成分なのか気になります。
検索したら詳しい解説ページを発見! かいつまんで説明してみます。
- ポスカは、ジャガイモのデンプンから作られる水溶性のカルシウム素材である
- カルシウムが含まれるので、初期むし歯のケアに適している
- スキンケアで用いると、表皮細胞の分化を促進する(つまりターンオーバーに役立つ)
- タイトジャンクションの形成を促進する(つまり細胞同士の結びつきが強くなってバリア機能アップ)
- 肌の状態を良くするための遺伝子の発現があっぷ(つまり肌がいい状態に近づく)
- 細胞間脂質の産生量がアップ(つまり肌のしっとり度がアップ)
とまあ、いいことずくめです。解説ページでは肌の角層の状態とバリア機能の改善についてのエビデンスもあるので、興味がある人はじっくり読んでみてください。
ちなみに、カルシウム関連の論文もいくつか見つけました。ご参考までに。
資生堂リサーチセンター 傳田 光洋さんの論文。
基底層に働きかける老化防止システム ご存知でしたか?カルシウムイオンがターンオーバーに起因することを!
化粧品原料メーカー・マツモト交商の資料。かみ砕いた説明。
ポーラ研究所のニュースリリース。ちょっとややこしいけれど、趣旨は分かるはず。
タイトジャンクションについても、いつかまとめたいと思います。
「何をやっても乾燥する」人は、ミネラルのことも考えよう
スキンケア、とりわけ保湿に関しては「とにかくセラミドを補おう!」と言われることが多い昨今。むろん、セラミドは肌内部の細胞と細胞の間に水分を貯蓄するために、なくてはならない成分です。
「うーん、でもセラミドケアしているのに、イマイチ肌がしっとりしてこないなあ」とお悩みの人は、もしかしたらセラミドよりも、カルシウムなどのミネラルが不足しているのかもしれません。美肌に関わるミネラルといえば、鉄、カルシウム、亜鉛などが挙げられますね。
といってどちらがより大事というわけではなく、どちらが不足していても肌の体力は上がってこない訳です。そこに人間の体の複雑さと面白さみたいなものがあるんだよね、とサファイアは思っています。
セラミドが効く人もいれば、ミネラルコスメが効く人もいる。
それは使う人の肌状態や健康状態、栄養状態によりけり。絶対的な効果のある成分って、実は存在しないんですよね。効果を感じる成分が、肌が求めていた成分だった、という結果があるだけ。万人に効果のある成分は、あるにはあるけど、100%じゃないんだよねということを頭の片隅においておくことが、スキンケア上手への第一歩なのではないかと思います。
長くなりました。最後までおつきあいいただいた方がいたとしたら本当にありがとうございました!
※追記※
ホワイタミン QQは「シミがあるところのターンオーバーを促進して、シミを素早く排出させよう!」というアプローチの美容液です。
そのアプローチのヒントになっているのは、美容医療で用いられている、トレチノイン療法。トレチノイン療法とは、ビタミンA誘導体であるトレチノインを外用することで、ターンオーバーを活性化させるというもので、シミに対しては一般的な治療法です。
サファイア、ここで気がつきました。「トレチノイン療法がヒントなら、レチノール配合すればいいんじゃないの?」と。ターンオーバーを促進する成分としてポスカが配合されているわけで、ポスカが悪いとかじゃなくて、もっとシンプルにレチノール誘導体を入れちゃえばいいじゃん?と。
レチノールといえば、資生堂が得意とする成分。エリクシール 美容濃密クリームなんかに配合されています。(ちなみに使って見たら皮ムケするくらいターンオーバー促進されました)思うに、フォルミュールってコーセー系のブランドなわけですが、コーセー系でレチノール配合の商品ってないかも? ということは、つまり技術的に苦手としているのか?と邪推しています。
レチノール配合の美容液が出てくるかどうか、フォルミュールの頑張りを見守りたいと思います。
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