「ディエム クルール」はポーラから発売された、ベースメイクシリーズです。高級スキンケアブランドのイメージがあるポーラですが「ディエム クルール」のターゲットは、20代~30代のいわゆるミレニアル世代です。発売後は【虹色ファンデ】のハッシュタグで人気になりました。
手に入るのは、ナチュラルなツヤがあって、明るくて生き生きとした肌。毎朝、カラフルな虹色を見るたびに気持ちもウキウキするはず。ディエム クルールは、アンニュイな毎日をちょっとだけカラフルにしてくれる、そんなファンデーションかもしれません。

https://www.pola.co.jp/brand/diemcouleur/special/
ディエム クルールってどんなブランド?
あまりフィーチャーされていないのですが、ブランド名の由来がとても素敵なので引用します。
「diem couleur」は、ラテン語で今を意味する「diem」と、
フランス語で色を意味する「couleur」を組み合わせた名前です。
色に触れることで、今をもっと心豊かに、もっと楽しく生きてほしい ー。
そんな今の女性たちに向けたメッセージを、ブランド名に込めました。
ちょっとだけ補足。
「diem」はラテン語なのですが「carpe diem(カルペ・ディエム)」というイディオムから取られた単語です。もともと「カルペ・ディエム」は古代ローマの詩人・ホラティウスの詩にある語句なのだとか。意味は「一日の花を摘め」。そこから「今を生きる」「今を楽しめ」というニュアンスで使われている言葉とのことです。しゃれてますねー。
参考 その日を摘めWikipedia「ディエム クルール」をあえて訳すとするならば「今日の色を摘め」「今の色を楽しめ」みたいな意味になるのでしょうか。ポジティブに自分らしく、自分だけの色を探して。20代後半ぐらいって、自分のスタイルを探し始める頃。楽しいことやうれしいことを優先して、でもちょっとだけ人生を考え始める、そんな時期。
難しいことも大変なことも見えてきたり、分かってきちゃったりするけれど、取り急ぎ今日を楽しみたいという気分を伴奏してくれるのが「ディエム クルール」のコスメ達なのかもしれません。

https://www.pola.co.jp/brand/diemcouleur/concept/
ちなみにこちらのイメージイラストは、イラストレーターのmeagamimamiさんとのコラボレーション。やさしい色合いの中にも、奥の方には強い色を感じるような。可愛いけど奥行きのあるイラストですよね。
「虹色」の秘密《カラートリック》のサイエンス
ここからはサイエンスのお話をしばらく。虹色ファンデが生まれるまでに、どんな研究がされていたのか?ということをご紹介しようと思います。
きれいな肌色はカラフルだったという新発見
肌色といって、どんな色を思い浮かべるか……と考えると、昔あった絵の具の「はだいろ」を思い浮かべてしまいます。絵の具を塗ったような、色ムラのない肌色がきれいな肌色だと思うのが普通。
ところがどっこい。
ポーラ研究所は「キレイな素肌はカラフルだった!」という新発見をしたのですね。
肌の画像をPhotoshopで解析して、色の特性を解析、そこから標準偏差を抽出した……という、ちょっと何言っているか分からないと思いますが、とにかく画像解析したんだと思ってほしい。
その結果を簡単に説明すると
- 肌色のばらつき度合いがゼロ→のっぺり不自然な肌色に見える
- 肌色がほどよくばらついている肌→自然でキレイな素肌に見える
- 肌色のばらつき度合いが大きい→色ムラのある肌に見える
という結果になったと。さっき絵の具の話をしましたが、単色で肌を覆ってしまうとのっぺり不自然に見えて、逆に色が多いとノイズになってムラっぽく見えてしまう。
いい感じで色がばらついていると、奥行きや透明感も感じる肌になる。ということが新発見だったのですね。
点描画のようにカラフルな肌色をつくるには?
上記の「いい感じに色がばらついている肌色」を表現するためにはどうしたらいいのか? という話になります。だってファンデーションをつくるのだから。
そこで着目したのは「視覚混合の効果」と「色立体視」の効果という2点。これ、どちらもアート(絵画)で使われている技術というのが面白いところ!
■視覚混合の効果については、スーラの点描画が有名ですね。(Wikipediaより)
By ジョルジュ・スーラ – The Art Institute of Chicago, パブリック・ドメイン, Link
絵の具を混ぜて色をつくると、色が濁ってくる。そこで、色を混ぜないで点で並べることで、まずは色が濁らないでよくなります。さらに、見ている者の目には色が混ざって見えることで、透明感のある色彩に見えるという技法です。
この作品の場合、左側の水面の色や上部の木の緑色を見ると分かりやすいかも。よーく見ると赤や黄色の点々なんだけど、離れて見ると若葉の青々とした緑に見えますね。
■色立体視の効果については、下をご覧いただくのが早いかも。
急ごしらえですが。同じグレーの背景でも、左のブルー=寒色系は色が引っ込んで見える後退色、逆に右のレッド=暖色系は色が飛び出して見える進出色と言われます。
「色が沈んでいる」印象と「色が浮いている」印象と言えば分かりやすいですかね。この暖色系と寒色系、それぞれの見え方を組み合わせることで、奥行きや立体感を生み出せるというわけです。
※余談ですが、この考え方で下地を使っているのがイガリシノブさんかなと思います。
さてそこで、カラーブレンドファンデーションですよ。

https://www.pola.co.jp/brand/diemcouleur/science/
見てのとおり、4色のパウダーからできています。
- 進出色(暖色)→ピンクと黄色
- 後退色(寒色)→ブルーとグリーン
という組み合わせ。これをパフにとって、肌のうえですべらせるようになじませると……、見事に「きれいな素肌色」になるわけです。これこそ、ディエムクルールが採用した《カラーブレンドトリック設計》というやつです。
※サイエンスに関してはこちらのニュースリリースを参照しています>>
透明感と奥行き感のある、いきいきとした肌質感を再現できるファンデーションを開発(ポーラ化成工業株式会社)
肌にのせてはじめて完成するファンデーション
4色のパウダーが肌のうえで織りなす、キレイな素肌色。透明感と奥行きのある仕上がりは、ちょっとほかにはありませんね。
単一な肌色じゃないので、お直しで使っても顔がどどめ色になる心配はかなり少ないと思います。
商品についてもさくっと説明しますね。
ディエム クルール カラーブレンドファンデーション

https://www.pola.co.jp/brand/diemcouleur/products/
【2018/3/1発売】【全4色】【SPF23・PA+++】【レフィル¥5300】【ケース別売り¥1200】
パフをすべらせると、そこには虹色が広がるパウダーファンデーション。肌のうえにもうっすらと虹がかかったような使用感でキュンとくるベースメイクが可能に。肌になじませるほどに、虹色が肌色へと変化しながらなじんでいくのが面白い! 透明感と奥行きのある仕上がりで、キレイな素肌を演出。
色は全4色のラインナップで、どちらかと言えば明るめのバリエーション。どんな色に変化するのかを確かめるためにも、店頭でタッチアップするほうがベター。
ディエム クルール プライマーL

https://www.pola.co.jp/brand/diemcouleur/products/
【2018/3/1発売】【全1色】【SPF37・PA+++】【¥5000】
ほんのりとしたピンク色をしたファンエーション下地。ニュアンスブライトリング粉体を配合することで光を多角的に拡散させ、磨りガラスのように肌にソフトフォーカスをかける効果が。ほんのりとしたツヤを与えつつ、肌の凹凸をカバーする効果もあるので、ファンデーションの透明感・奥行き感の仕上がりを高めてくれる。保湿成分が配合されているのもうれしいところ。
※新作も続々登場していますが、それはまた追って(の予定)
虹色ファンデにあえての苦言を呈するなら
とってもいいファンデーションだと思います。本当に。でもあえての苦言を少々。
その①ターゲットの年代から見ると、ちょっと値段が高い。
レフィルとケースで合わせて¥6500。ちょっとお高い。「そろそろちゃんとしたファンデが欲しい」と思いはじめる年代がターゲットなら、合わせて¥5000にしてほしいところ。下地も買うとなると、諭吉超えしちゃうのはいただけない。アラフォーでもためらう価格設定だといえますね。
その②SNSアカウントが見当たらない
こんなにSNS映えするビジュアルなのに……maegamimamiさんのイラストも超かわいいのに……アカウントが見たらないのです。これって、ミレニアル世代をターゲットにしているのに致命的なのではないかと。案の上、デビュー当時の虹色ファンデの投稿はあるけれど、その後発売されたコンシーラーやハイライトについての投稿がめっさ少ない。なんでかって、発売されたことを知らないからですよ。なんで知らないかって、SNSにアカウントがないからですよ。ぜひいちどご検討いただきたい。
以上、ディエム クルールについてのご紹介でした。モノはとてもいいファンデです。ぜひお試しあれ!
それではごきげんよう。
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